SY邸

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住人はご夫婦と子供3人の5人家族です。
周囲から建物を遮るものは何もありません。クライアントのご要望により、プライバシーを最大限確保するため、コートハウス形式を採用しました。東側の道路から、北側の長いアプローチ、玄関、ホール、ダイニングそして個室へと、空間は最大限のパースペクティブを作り出しながら、何度か折れ曲がり、人を建物の奥へと導いていきます。それぞれの空間はダイレクトに連続し、徐々にプライバシーの高いものへと変化していきます。そして、最後に再び東側道路に続く開口へと行きつくのです。

「ミニマルな空間は好き。木も好きだが、ササクレだったり、節のある荒々しい感じは嫌い。」
打合当初のクライアントの言葉です。ミニマルな空間といっても、素材やその表現の仕方によって、その質は大きく変わってきます。コンクリート、木、石など、物質がその存在感を主張する密度の高い空間。その存在感を出来るだけ消し去った、軽さや透明感が漂う空間。クライアントの求めたものは、乱暴に言えば、その中間あたりだったと思います。

床は存在感の希薄な白いカバ材を使い、収納などの一部を除き木枠などは全て排除しました。また、シェルターとして1階部分を囲む壁は、その存在と強度を示すように、コンクリートの打ち放しとしましたが、その他は内外ともに白く塗り込みました。空間は物質の存在感を誇示するのでなく、透明性や軽さを主張するのでもない、その中間あたりの何気ないものとなりました。