新横浜駅のすぐ傍に、その懐に広葉樹の鎮守の森を抱く小高い場所があります。その斜面に立ち並ぶ建物や木々の間をしばらく登ったところに、わずかに傾斜した道路に面してこの住宅は建っています。
125㎡の小さな敷地は駐車スペースを確保すると、南の道路側にはほとんど庭が取れませんでした。そのため、交通量の多い道路からのプライバシーの確保のため、生活の中心を2階にもっていく事にしました。
建物は北側と南側の2つのブロックから出来ています。北側は1階が水廻りと和室、2階がダイニングとキッチンと書斎、そしてその上が将来子供室になるロフトになっています。南側は1階が寝室と納戸、その上部が南にバルコニーのあるリビングです。長いアプローチの奥にある玄関の吹き抜け空間を中心に、これらのスペースが流れるように連続していきます。北側ブロックの1階の床レベルを下げ、更に階高を抑える事で、玄関と2階のダイニングの高低差を1800mmにする事が出来ました。これによりアプローチから玄関、水廻りへと続く土間空間は、2階の生活空間との距離感をほとんど感じさせません。
コストを抑えるため、塗装やアプローチの石張り、庭工事はクライアントが自ら施工しました。南の庭に植えられた様々な草花が,四季の移ろいを伝えてくれそうです。