僕が考える理想的な土地は、すばらしい借景が望める土地です。
本来、外の景色を庭園内の重要な要素として取り込む時に、その景色を借景と言いますが、僕は庭に限らず建築空間をより豊かにする敷地外の景色は、全て借景と呼びたいと思います。遠くに見える景色はもちろんですが、隣家の隙間から見える樹木、境界に立つお隣の土塀、そんなものも僕にとっては借景になり得ます。それらの景色をうまく空間に取り込める、つまり、借りてこられれば、僕にとっては借景なのです。もちろん、それをどう空間に取り込むか、これによってその生かされ方は大きく違ってきます。まさに建築家の腕の見せ所でしょう。
写真は借景で有名な京都の円通寺の庭園です。生垣の彼方に比叡山が見えます。
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