僕の事務所が出来て、ちょうど10年目にこの住宅を手掛けました。 隣は旧河川敷、しかも三角形のこの敷地は、僕のそれと大変よく似ていました。この土地を買われたのは、僕が独立してすぐに知り合った方の息子さんです。何か因縁めいたものを感じながら、僕は強く自邸を意識して設計を始めました。2世帯住宅ですので間取りは違いますが、屋上へと続く真っすぐな階段が出来たのは、その結果です。
1階の南の庭は決して広くありませんが、旧堤防の斜面がそのまま連続し、独特の雰囲気を作り出しています。南と東に設けられた広いバルコニーからは長く続く桜並木、屋上からは遠く木曽川の花火を見ることが出来ます。