ふー吹抜け(1)

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「吹抜けのあるリビングが欲しい。」                   最初の打合せで明確に吹抜けを望まれたのはKY邸のクライアントだけだったと思います。

僕が作った住宅には多くの吹抜け空間があり、吹抜けのリビングも幾つかありますが、明確にそれを要求されたのはKYさんだけでした。  「天井の吹抜けた開放的なリビングが夢だった。」KYさんの望みを叶えるため、僕は吹抜けのリビングを作りました。ただ、クライアントの要望がなくても、暖房の効率や経済性のデメリットを考えても、僕は吹抜けを作ることがあります。大袈裟な言い方をすれば、吹抜けには二つの空間的な効能があります。上下階の空間の連続性の創出、垂直方向への空間の広がりの創出。そして、これら二つの効能がそのデメリットを超えた時、吹抜け空間を作る訳です。と言いたいところですが、実際はそう単純ではありません。建築空間を考える時、そこには機能、意匠、構造、環境、法規、経済等々、膨大な要素が複雑に絡んできます。そしてそれらを一つの最適解と思われる建築にまとめ上げた結果として、たまたま吹抜けが出現する訳で、最初から吹抜けが空間を考える上での重要なモチーフになること等まずありません。そのため、KY邸は特殊な例だったと言えるでしょう。

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