木造の天敵 (2)

最近の木造住宅の多くがそうであるように、僕が設計した木造住宅の基礎は全てベタ基礎です。

つまり、一階の床下は分厚いコンクリートになっているのです。そのため、シロアリが土中より進入するためにはコンクリートの基礎の立上り部分を登ってこなくてはなりません。そのためシロアリはそこに蟻道と呼ばれる土のトンネルを作り、湿度の高い快適なその中を集団で上り下りして、餌の木を食べていくのです。シロアリによる食害が急激に起きるとは考えづらいですので、蟻道などの兆候を見つけてから処理を考えても良い気もします。特に被害が多いといわれる玄関や勝手口などの地面に近い木部や、外周部をたまに点検すれば十分な気もします。

ただ、ベタ基礎でも内部からの進入は皆無ではありません。配管の穴や、僅かなヒビなどからも容易にシロアリは進入してきます。そして、僕の住宅では採用していませんが、基礎の外断熱は最悪です。基礎に張られた断熱材の中をシロアリは自由に行き来し、発見も難しいのです。これらの場合、ハネアリや床などの木部の異常によって気付く事になるわけです。その時、食害がどれだけ進んでいるのか.....

5年に一度の専門家の調査と処理は行った方がより確かな事は明らかです。ただ、15~30万円程掛かるその費用が保険として高いか安いかは、なかなか判断のしづらいところです.....

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