木造の天敵 (1)

「シロアリについてお話します。」そう書きましたので、ちょっと間が空きましたが、知っている事を少し書いてみたいと思います。

白蟻による食害は木造にとって脅威ですが、食害を起こす主な白蟻のうちヤマトシロアリは北海道の一部を除く日本全国に生息しています。特に怖いと言われるイエシロアリは西日本より南にしかいませんでしたが、最近は温暖化の影響でしょうか、東京など東日本の一部でも見られるそうです。

木造を新築する時、地上1mまでの木部を防蟻処理するのは昔から常識でした。水分を多く必要とするヤマトシロアリやイエシロアリは土からあまり離れられないと考えられるため、地上1mまでの処理を行うのです。浴室部分の基礎を高くするのもひとつにはその理由もあります。ただ、近年環境への影響を考え処理用の薬剤の毒性が弱まり、昔は10年続いた薬剤の効果が今は5年程度と言われています。まあ、5年であれ10年であれ、その後は常にシロアリの恐怖に曝されるわけです。

以前、「ハネアリが出た。」と昔僕が建てた家の方から連絡があり、シロアリ駆除業者を紹介した事があります。僕も同行して調査した結果、構造部は無傷でしたが、玄関の木部のごく一部がシロアリにやられていました。「念のため、薬剤散布などの防蟻処理をお願いします。今後5年に一度は同様の処理をお願いしようと思っています。」虫を極端に嫌う奥さんがそう話されました。まあ、虫が好きでも、シロアリが出れば誰でも気持ち悪いでしょうが.....

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