タイホウ産業

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この建物は、給排水工事業を営む小さな会社の事務所です。1階は倉庫、2階が事務スペースになっています。外観は南北に延びた四角い管を、刃物で切断した様な形になっています。1階が作業場としてハードな使われ方をする事も考慮し、RC造としました。

鉄筋と鉄骨と木造、どれが地震に強いのか、どれが安価なのか、どれが一番優れているのか、そんな事をよくクライアントに聞かれる事があります。木造や鉄骨造はタケヒゴに紙を張りつけた張子の様な構造で、軽くしなやかです。RC造は石膏を流し込んだ像の様に、重く固い構造になっています。これらの性質や材料の特性が耐震性や耐久性等々に大きく関わっている事は確かです。ただ、それぞれの点において、どの構造が一番優れているかを一概に言う事は出来ません。与えられた条件や建物の作り方は、皆それぞれ異なっているからです。例えば、阪神大震災では多くの木造が倒壊しましたが、RC造や鉄骨造が被害を受けた中、無傷な木造もありました。また、RC造はコストが高いとよく言われますが、この建物ではむしろ安価に抑えるために、この構造を選んだという側面もあります。建物の構造の特色は一義的に決まるものではないのです。
建築は構造・素材・間取等々、その組み合わせによって無限のバリエーションが考えられます。それぞれの土地にそれぞれの条件が与えられ、そこからたったひとつの答えを導き出すのです。