か・階段(3)

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スカラレジアや僕の自邸の階段は、階段そのものが階段のためだけの空間の中にあります。サグラダファミリアの尖塔の中のらせん階段も同じです。簡単に言ってしまえば、階段室の中の階段です。そういった意味ではビルの非常階段とも同じです。もちろん、そこに神秘性のようなものまで感じるかどうかは別ですが...

そんな階段室内の階段とは違うもうひとつの「階段」、それは階段室とは違う別の空間内に存在する「階段」です。玄関、リビング、ホール等、別の空間の一部として存在するような、そんな階段です。

バラガン邸の稲妻型の片持ち階段もそんな階段のひとつです。それは階段としての機能と象徴性を持つと同時に、その空間のひとつの点景として大変重要な役割を担っています。それによってこの空間は引き締まり、緊張感を持った神聖なものへと変貌しています。僕も広い空間の中にいくつかの階段を作ってきました。空間を分節する階段、空間を回遊する階段、ガラス手摺の片持ち階段、鉄筋で吊った階段等々、それらはひとつの点景としてその空間の重要な要素のひとつとなっています。ただ、バラガン邸の階段のような、その空間に確固として屹立するような、そんな精神性を感じさせることまではできませんでした。バラガン邸を引き合いに出すこと自体、おこがましい事ですが.....それでも、それぞれの階段はその空間内で階段としての魅力を十分に発揮してくれたと思っています。

「階段」は、これからもその魅力で、僕の心を捉えていくことになるのでしょう。

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