こーコルビュジェ(1)

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ル・コルビュジェ、本名シャルル=エドァアール・ジャンヌレ=グリ。「20世紀における最も偉大な建築家は誰か?」もしそんな質問をすれば、多くの建築家がこの人の名前を挙げるかもしれません。

「近代建築の五原則」「ドミノシステム」「モデュロール」などの刺激的な提言、様々な都市計画案、CIAMでの活動等々、彼が近代建築に及ぼした影響は計り知れません。そして、彼が実際に作った多くの建築達は未だに色褪せず、その光を放ち続けています。

ただ、20代の頃の僕は実はコルビュジェにそれ程の魅力を感じてはいませんでした。上野にあるコルビュジェが基本計画をした国立西洋美術館なども見てはいましたが、あまり心は動かされませんでした。僕が彼の建築に初めて感動したのは31歳の時です。二度目のヨーロッパへの建築旅、決して主目的ではなかったコルビュジェの建築に直に対面した時です。「サボア邸」そして「ロンシャンの礼拝堂」この二つの建築に圧倒され、感動したのです。ヨーロッパの都市では歴史ある重厚な石造りの建築が未だに多く残っています。そんなロマネスクからルネッサンスまでの名建築を見てきた後ではどうしてもモダニズム建築は薄っぺらく見えてしまうのです。それでも、この二つの建築には大きく心を動かされたのです。「サボア邸」はまさに「近代建築の五原則」のお手本のような建築。「ロンシャン」はそれから大きく逸脱したような建築です。時代も隔たったまったく違うタイプの二つの建築ですが、「サボア邸」にはその秀逸な空間構成とプロポーションに、「ロンシャン」には圧倒的なコンクリートの大塊の存在感とその光と影の演出に言葉を失ったのです。

僕はそれまで近代建築の中ではコルビュジェよりもミースファンデルローエに魅力を感じていたのですが、その思いは書籍などのメディアからの知識によって出来上がったものでした。しかし、二人の実作に接した時、その思いは変わったのです。ミースに感じていた魅力は変わりませんが、それは頭の中の世界の事であり、現実の空間の中では少し違っていたようなのです。魂を揺さぶるようなコルビュジェの建築は僕にとっては、ミースを超えた「生きた建築」だったのです。

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