とー土地探し(1)建築家のアドバイス 再掲

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どんな土地に家を建てるか?

家づくりにとって、それは大きな問題です。僕も30年程前、自邸用の気に入った土地を探すのに大変苦労しました。2,3年を掛け10件以上の物件を見に行きました。

そして、まだ土地が決まっていない方々には,自分だけで決めずに出来るだけ設計事務所の意見を聞くようにとお話しています。それは土地選びに関して、建築家には一般の方々とは違う独自の考え方があるからです。

駅やバス停から近いか。病院や学校は近くにあるか。買い物に便利か。そんな周辺施設との関わりといったロケーションの問題は、建築家でも一般の方でもその判断基準はあまり変わらないでしょう。ただ、敷地の形状、高低さ、地質、法規制、隣地との関係、予算、そんな建築を建てる事に直接関係してくるような問題は、やはり建築家と一般の方ではその判断基準が微妙にずれてきます。

僕が蓼科に建てた山荘は実は兄のものなのですが、土地探しには関わりませんでした。僕が遠方にいて、まだ独立していない事もあり、兄はどこかの会社でログハウスでも建てるつもりでいたからです。僕が独立して設計する事になった時には、土地はすでに決まっていたのです。西と南に道路があるこの角地は、木々の生い茂った周辺の分譲地に比べ広々として、開けた明るい土地に見えます。そんな土地に兄は魅力を感じました。しかし、僕の見方はまったく逆でした。2方向の道路から覗かれる、プライバシーを確保しずらい好ましくない土地。そう思えたのです。でも、もう後の祭りです。西側には長いRC壁を建て、南側の道路境界には工事で出た残土で小さな築山を作り、プライバシーを確保しました。どんな土地でもそれなりの解決策は必ずあります。ただ、土地探しからアドバイスしていたら、もっと良いものが出来た。そんな風に思えてなりませんでした。

今まで幾人かの方の土地選びに関わり、そこで色々なお話をしてきました。今後折に触れ、その一端をお話できればと思っています。

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