本物 (前編)

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本物の素材。僕はたまにそんな事を言います。

何が「本物」の素材なのか。別に公に決まってもいませんし、僕自身もきちっと定義している訳でもありません。ただたまにそう言ってしまいます。

無垢の木や金属、石、漆喰、ガラス、コンクリート等々。それらが僕にとっては「本物」の素材です。「本物」があるなら「偽物」もあるはずですが、そんなふうには言っていません。でも、それらを模したプリント合板やリノリウム、クロス、樹脂系の素材等は僕にとっては「偽物」です。金属の厚い無垢板はもちろん本物ですが、木目調のトタンは「偽物」、薄いガルバリウム鋼板はその中間といったところでしょうか。

自分自身が何をもって「本物」と言っているのか。オリジナルが「本物」で、それを模したものが「偽物」。もちろんそれが大きな要因でしょう。でも決してそれだけではない気がします。レンガ積みを模したレンガタイル張り、じゅらくの土壁を模した今のじゅらく塗り、石を模したテラゾーブロックや漆喰の磨き仕上げも「本物」という気がします。コーリアン等の人造大理石も大理石風のメラミンに比べれば「本物」に近い気がします。表面の仕上げが厚い素材が、僕に「本物」という感覚を与えるようです.....

写真は5ミリの鉄板の切れ端です。すこし黒皮になりかけた表面に、ウレタン塗装がしてあります。

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