素朴なコンクリート (1)

コンクリートは鉄とともに現代の建築を成立させた重要な材料です。

粘土と石灰を焼成して出来る粉がセメントです。この粉に水を混ぜると硬く固まります。これに砂を混ぜたものがモルタルです。そして、さらに砂利を混ぜるとコンクリートになります。

今とまったく同じだった訳ではありませんが、固まる材料としてのセメントは、エジプトやギリシャの時代から使われていました。これもまた土から出来るレンガや、石などの接着剤として使われていたのです。身近にある土や石を固めて建物を作るのは、昔の人達にとってはごく自然な事です。これらを使った建物は世界中のいたるところで見られ、どこの国でも同じような雰囲気をまとっています。そして、そのプリミティブな構造に同じような「なつかしさ」を感じてしまいます。

考えてみれば、コンクリートも土や石から出来ていますので、同じような素朴な材料と言えるのかもしれません。

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