木造の天敵 (5)

大分間が空いてしまいましたが、もう少しシロアリについてお話したいと思います。

前回までお話してきたのは、主に昔から日本にいたシロアリについてです。しかし近年、アメリカカンザイシロアリという外来種についても、よく耳にするようになりました。

このシロアリは数十年前に建材などと共に日本に移入されたようですが、少しずつその生息範囲を広げ、今では全国の色々な所で見受けられるようになりました。このシロアリはその名のとおりカンザイ(乾材)を好み、日本のシロアリが多少は敬遠する桧や、年輪などの硬い部分も好んで食べていくようです。そして何より、在来種と決定的に違うのがその進入経路です。このシロアリは土からでなく、空から羽根蟻としてやって来るのです。そのため、今までのような防蟻処理ではあまり効果がないのです。それなら、一体どうしたら良いのでしょう。

以前、シロアリ処理業者の方が営業に来られ、ある資料を置いていかれました。それによると、このシロアリの故郷(?)アメリカでは、薫蒸処理とホウ酸塩処理がスタンダードになっているそうです。その後興味を持って色々とネットでも調べてみたのですが、薫蒸処理は家を丸ごとシートで囲みガスを充填する方法で、金額も高く、毒性が残らないため効果の持続性はまったくないそうです。そのため、日本ではほとんど行われていないようです。ただ、ホウ酸塩処理はなかなかの優れもののようです。その効果は半永久的に続き、人間のような動物にはほとんど無害なのですが、腎臓を持たない虫には効果を発揮するようなのです。

「今後はホウ酸だ。」そう言いたいところですが、そう簡単でもありません.....

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