いー家(1)

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「家」という言葉には、建物や家屋、建築物といった言葉にはない様々なイメージや意味の衣がまとわり付いています。

それは、「建物」や「家屋」等の言葉が住むための器そのものの物質性を表すのに対し、「家」は器だけでなく、家族、家柄、家元等の言葉があるように、その中身も表しているためと考えられます。
そのため、器そのものを表すために「家」という言葉を使っても、そこにはどこかノスタルジックな血の通った暖かいイメージがまとわりついてきます。
「レンガの家」「丘の上の小さな家」「丸窓のある家」これらの言葉には誰もがメルヘンのようなものを感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、これらの言葉の中の「家」を「建築物」に替えてしまったらどうでしょう。そのイメージはまったく違うものになってしまうのではないでしょうか。
メルヘンチックな暖かなイメージは消え、即物的な冷たいイメージだけが浮かび上がってくるのではないでしょうか。そして、その時頭に浮かぶ建物の形はどうでしょうか。
「建築物」の形は様々ですが、「家」と聞けば必ず三角屋根の付いた建物が頭に浮かんでくるのではないでしょうか。
「家」は四角い冷たい建物ではなく三角屋根の付いた暖かい建物、多くの日本人の頭の中にはそんなイメージがあるのではないでしょうか。
それは、古からの日本家屋の形がそんなイメージを作り出してきたからでしょう。

そんな家の形「家型」は建築の世界でも昔から多くの人達の関心を掻き立ててきたのです。

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