建築のある部分の「納まり」を評価する時、そこには3つの基準があると思います。
先ずはその「性能」についてです。
例えば、屋根と雨樋の取り合い部分の「納まり」でいえば、ちゃんと雨を受けるか、漏れないか、耐久性はあるか、といったものです。
もう1つは「デザイン性」についてです。
どれだけその「納まり」が美しいか、その外観に合っているか、といった基準です。
そして最後が「経済性」についてです。
ふんだんにお金を掛ければ、「デザイン性」に優れ「性能」の高い「納まり」を考える事は容易です。しかし、安く美しく高性能の「納まり」を考えるのはなかなか骨が折れるのです。
「デザイン性」重視の設計士はついついその「性能」をおざなりにしてしまうかもしれません。逆に「性能」ばかりを重視し「デザイン性」に無頓着な設計士もいます。美しく高性能な「納まり」を考え、予算オーバーになってしまう若い設計士もいるかもしれません。
「性能」「デザイン性」「経済性」、これら3つの要素のバランスのとり方がとても重要なのです。そして、そのとり方にその建築家の姿勢、個性が表れてくるのです。
「神は細部に宿る」建築家のミースファンデルローエがよく口にした言葉です。
細部ーディテールー納まり により、建築は光り輝き、時にその光を失う事にもなるのです。
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