昨日、今度住宅を作られる息子さんとの打合せの後、Mさんにイタリアンのお店でおいしい料理をごちそうになりました。
Mさんの住宅を設計させて頂いたのは20年程前になります。そこで暮らし続けたMさんと、そこで育った息子さんに再び声を掛けられた事は、僕の設計した住宅を認めてもらった事にもなりますので、建築家冥利に尽きるほんとうにありがたいことです。
色々な楽しい会話の中に、M邸についての思いも幾つかお聞きすることができました。工事中一度も現場を見なかったMさんが竣工後初めて玄関を入った瞬間の感動...無垢のホワイトアッシュの床材や塗り壁の魅力...家具工事の施工技術だけは唯一不満だった事...趣味の部屋はあまり使わなかった事...そして、リビングに置いた栃の木の一枚板のテーブルがどれだけ役に立っているか等々...
「ほんもの」の素材と「空間」が家族の歴史にとってどれだけ大切か、改めて考えさせられる貴重な時間でした。M邸へはお立ち寄りすることはできませんでしたが、リビングの一枚板が、今もなおその存在感を放っていることだけは確かなようです。
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