妖しい黄金色 (1)

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金はもちろん、金色を建築に使う事はほとんどありません。真鍮の金物や目地棒をデザインの重要な要素として取り入れた事は過去にありますが、今はほとんどなくなりました。

昨日、NHKのロマノフ王朝秘宝伝説という番組で、黄金色に輝く大空間が映し出されていました。金箔を全面に施されたその大広間は、金色と白色に輝く煌びやかな光の空間でした。「きれい。ベルサイユ宮殿よりずっときれいじゃない?」妻が僕に聞きました。「こんな建築を男性はどう思うのか、美しいと思うのか?」アルコールが入っていたせいもあるでしょうが、少し雑な質問に、すぐには答えられませんでした。「このロマノフの宮殿に対する一般的な男と女の美意識の違い」なのか。「ベルサイユとロマノフの違い」なのか。はたまた「一般的な装飾過多な建築について」なのか。「黄金色に輝くこのロマノフの宮殿について」なのか。様々な側面から論じる事があり、すぐには口を開けなかったのです。

一般的に装飾過多な建築は男より女性の方が好きな人が多いでしょうし、黄金色に輝く建築(装飾品)もそうでしょう。僕もヨーロッパへ建築を見にいった時は、パリへは行ってもベルサイユへは足も運んでいません。他に見たい物がたくさんあったのです。ただ、他の多くのバロック建築にも感動しましたし、ゴシックやアールヌーボー、ガウディの建築にも大きく心を動かされました。装飾豊かな建築も好きなものは好きなのです。ただ、一言に装飾といっても、その種類や範囲は膨大です。語り出せば際限がありません。

「金」についてだけ、思いを綴ってみます.....

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