シロアリの被害がどれほど恐ろしいものなのか、正直なところ、僕にもわかりません。
阪神大震災の被害調査に関する文章などを見ると、倒壊した建物の多くがシロアリの食害を受けていたという事です。中にはそれが80%以上に上ると書かれたものもあります。実際多くの建物が食害にあっていたのでしょう。ただ、倒壊が全て食害によるものであるかのように書かれたものもありますが、それは大きな間違いでしょう。震災とは別に、日本しろあり対策協会が平成13年に調査したところによると、16435棟の家屋調査の結果、3分の1の建物がシロアリの被害を受けた事があり、20年以上の建物ではそれが半数近くに及んでいたそうです。30年、40年、50年となればその値はどんどん高くなってきます。そして、それらの建物は一般に耐震性が低く、腐朽なども進んでいるはずです。つまり、震災で倒壊した家屋にシロアリの食害が多く見られたのは、その痕跡がよく見られるような耐震性が弱かった古い家屋が多かったとも解釈できるのです。もちろん、シロアリによる決定的なダメージが倒壊の大きな要因だった家屋もあったかもしれません。ただ、その割合がどれだけであったか、なかなか判断は出来ないのです。
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