EH邸

2013年

クライアントのご夫婦が初めて訪ねて来られたのは2011年の夏の事でした。奥さんは2005年に私達が作った住宅のシステムキッチンのメーカーの担当だった方です。その当時から設計依頼を考えていたというお話をお聞きし、嬉しさと共に身の引き締まる思いを感じました。

敷地は桑名市郊外の住宅地の中の間口25m、延108坪の大きな土地です。ここにご主人のご両親との2世帯住宅をご希望でした。東から西へと下る北側の前面道路は端と端で1.5mの高低差があり、敷地も東側と西側で1m近い段差で造成されていました。コストを出来るだけ抑えるために、この高低差を生かしつつ、周辺部に新たな土留め工事を施さないような計画としました。道路側には住人用の4台分のガレージと客用の駐車スペースを確保し、そのほぼ中央に共用のアプローチをとりました。アプローチは門扉を介し広い共用のコートへと続き、東西に分かれて其々の玄関に連続していきます。生活空間は完全に分離していますが、南の庭で再び連続します。プライバシーを確保しつつ緩やかに繋がっている、そんな2世帯住宅が出来上がりました。

コートに設けた雨ざらしの無垢板のベンチは、風雨とともに少しずつ色褪せていきます。ただ、そこには3世帯6人家族のこれからの歴史が、少しずつ刻まれていくことでしょう。