く・けー空間・建築(3)2022.02.08
ギーディオンが20世紀初頭からのモダニズムの建築の中に見出した第3の空間概念、これを日本建築の中で考えてみると、僕が最初に思い浮かべるのは、ブルーノタウトによってモダニズムとの類似性を指摘され、世界的にも高く評価されるこ ...続きを読む
く・けー空間・建築(2)2022.02.02
ギーディオンという学者の「空間 時間 建築」という著作が初版されたのは今から80年程前になります。この中で彼は建築空間の発展を3段階に分け,3つの空間概念として要約しています。 第1の空間概念はエジプトやシュメル、ギリシ ...続きを読む
く・けー空間・建築(1)2022.01.13
「空間」「建築」、この二つの言葉は建築家にとって一般の人達とはかなり違った響きを持っています。 「空間」は哲学において、時に全ての事物に先立つ絶対的なものであったり、時に事物間の関係性によって決まる相対的なものであったり ...続きを読む
きー機能・機械(3)2021.12.25
戦時中の1942年、坂口安吾は「日本文化私観」の中で小菅刑務所とドライアイス工場と軍艦の中に感じた「美」について、次のように語っています。 この三つのものが、なぜ、かくも美しいか。ここには、美しくするために加工した美しさ ...続きを読む
きー機能・機械(2)2021.12.01
「機能主義」とは違う超機能主義もしくは極機能主義とも呼べるような建築も存在します。 それは石油コンビナートやセメント工場といった純粋に機能だけを追求した、建築家の美意識が介入しないアノニマスな建築達です。「工場萌え」とい ...続きを読む
きー機能・機械(1)2021.10.29
「機能」という言葉は「建築」にとって大変重要な言葉です。 「形態は常に機能に従う」というルイス・サリバンの有名な言葉が象徴する機能主義と呼ばれる考え方は、20世紀の建築界において非常に大きな潮流となったものでした。「住宅 ...続きを読む
かー階段(3)2021.10.21
スカラレジアや僕の自邸の階段は、階段そのものが階段のためだけの空間の中にあります。サグラダファミリアの尖塔の中のらせん階段も同じです。簡単に言ってしまえば、階段室の中の階段です。そういった意味ではビルの非常階段とも同じで ...続きを読む
かー階段(2)2021.10.13
「階段」で僕が一番多く使うのは鉄砲階段です。 鉄砲階段とは途中に踊り場を設けて曲げたりせず、上階と下階を真っすぐに結ぶ直階段のことで、僕はこれが一番階段らしい階段と思っています。有名なサンピエトロ寺院のスカラレジアも直階 ...続きを読む
かー階段(1)2021.10.01
僕の学生時代の卒業設計のテーマは「階段」でした。「階段」は多くの建築家にとってとても魅力的な存在だと思います。 「階段」は上下の二つの領域を結ぶ連絡通路(動線)という建築にとってとても重要な機能を持っていますが、もう少し ...続きを読む
おー納まり(3)2020.03.17
建築のある部分の「納まり」を評価する時、そこには3つの基準があると思います。 先ずはその「性能」についてです。 例えば、屋根と雨樋の取り合い部分の「納まり」でいえば、ちゃんと雨を受けるか、漏れないか、耐久性はあるか、とい ...続きを読む
おー納まり(2)2020.03.17
「納まり」は「~部分断面詳細図」といった名前の実施図面によって、その部分を切断した断面を図面化する方法で表現されます。 例えば「サッシと外壁の納まり」であれば、サッシが外壁と繋がっている部分を切断したとして、その断面を図 ...続きを読む
おー納まり(1)2018.03.25
「納まり」 僕のような仕事に携わっていると、必ずこの言葉を使います。 多い時は日に何十回も使っているかもしれません。 「例の件は何とか納まりがついた。」「この大きな荷物が納まった。」「納まり」は本来、物や物事がうまく片付 ...続きを読む
えー縁側(4)2018.02.09
僕が設計してきた住宅には、ほとんどにこの縁側的な空間があります。 その中でも自邸と蓼科の山荘のそれは、内部的性格の強いものと外部的性格の強いものの両極端かもしれません。 この中間領域はそこがどれだけ外部に閉じているかー高 ...続きを読む
えー縁側(3)2018.02.02
くれ縁(内縁)は作った事がありませんが、濡れ縁(外縁)は今までにたくさん作ってきました。 くれ縁、濡れ縁、ウッドデッキ、ベランダ、バルコニー、それらの厳格な違いはさておき、外部と内部との中間領域でもあるこの場所は僕が建築 ...続きを読む
えー縁側(2)2018.01.20
縁側のルーツは平安時代の「廂の間」である、そんな事を何かで読んだことがあります。 寝殿造りの「母屋」という中央空間の周囲を囲むスペース、それが「廂の間」です。 この当時は母屋も含め床は全て板張りだったのですが、これが長い ...続きを読む
えー縁側(1)2018.01.12
部屋の外側にある廊下のような板張りの空間、それが「縁側」です。 「縁側」という言葉を聞く事は、僕の日常ではあまりなくなってきました。そして、「縁側」そのものを見ることも少なくなってきました。 自分で設計する住宅にこのスペ ...続きを読む
うー美しさ(3)2017.11.17
「美しさ」「美」について客観的に語ろうとすると、その領域はあまりに膨大です。 「美」がその対象そのものの中にあるのか、それとも自分の心の中にあるのか、そんな哲学的な問から考え始めなければならないかもしれません。 他にも、 ...続きを読む
うー美しさ(2)2017.11.08
昔から僕はセンスの良い方ではなかったと思います。 この「建築」の仕事に関わらなければ、今でもそうだったと思います。否、今も本質的にセンスは良くないかもしれません。 ただ、「美しさ」を見る目は普通の人よりは持っているつもり ...続きを読む